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Moulding of the Landscape -2022-

Moulding of the Landscape
−光を吹く−

2019-2022年
彫刻​、写真
素材:ブロンズ、発色現像方式印画


 私にとって写真は光の鋳造物であり、カメラはそのための鋳型である。  

 金属を鋳造するとき、蝋でできた原型を砂で埋没し、蝋を溶かし出した後、 その空洞に金属を流し込む。金属が流れていく様子を目視することはできず、 正確に鋳物ができているのかは鋳型から割り出すまでわからない。 素材の特性や自分の選択が一瞬で結果として現れることが鋳造なのである。 

 2019年の夏に2ヶ月かけてパキスタンのカラコルム山脈を旅行した。 風景を記録したいと思うと同時に、時間が過ぎて綺麗に撮影された写真が記憶の全てになってしまうことを私は恐れていた。 そこで既存のカメラではなく現地で収集した素材でピンホールカメラを作り、 私は光を鋳造するように風景をフィルムに焼き付けた。 

 本展覧会はその時の写真と、帰国後に金属を鋳造して制作した立体作品で 構成されている。

 *「吹く」とは用語で鋳造するという意味。

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